アラサー夫婦、京町屋を買う

明治期の京町屋を契約しました。築100年以上、さあ、どうしよう

一世一代、明治期の京町屋を契約しました! 大金に冷や汗

今日、家の契約に行ってきました。

契約したのは築100年以上、明治期の京町屋。
夫婦共有名義ということで互いに銀行から現金をかき集めた手付金を抱え、バスに乗って契約へ向かいます。

手付金というと、家や土地の取引価格の10%程度が相場と言われており、その相場どおりに用意した鞄の中の人生初の札束に夫婦で冷や汗をかいたものです。とはいえ、契約に向けて、むすめを友人に預けたため、久しぶりにゆっくり夫婦で歩く時間はなんだかとても楽しくて、大金という刺激もあいまって、いい思い出になりそう。

契約場所となる不動産屋さんは最近新事務所に移転したばかりなので、Google mapを2人でのぞきながら歩きます。途中、素敵に改装された京町屋を見かけて、わあ、いいね、なんて言いながら通り過ぎたのですが、その「素敵に改装された京町屋」が実は向かうべき「新事務所」であったことに気づき、夫婦でキャッキャと盛り上がってしまいました。

外観はもちろん、内装はもっと素敵で、契約の前に10分程度、新事務所を案内していただきました。連棟だったという2件をつなげた町屋は、シンプルなようで複雑な間取りをしていて、こっそりと用意された小屋裏や屋根上の不思議な物干し、部屋と部屋をつなぐ廊下に貼られた滑らかな杉板など、魅力的な要素で溢れていました。

いつまでも見ていたいような気持ちになりましたが、今日の目的は契約。ということで、綺麗な畳の応接間に案内され、契約前の説明事項を聞くことに。

家の売買契約には1時間程度かかります、と事前に言われていましたが、わたしたちは「契約なんて、名前書いてはんこ押すだけでしょ?」などと不遜に囁き合っていました。しかし、実際に話を聞いてみると、都市計画の規制や、長い歴史が記載された謄本など、聞けば聞くほど「なんだそれ!」なことが出てきて、夫婦揃ってたくさんたくさん質問をしてしまい、結局、2時間くらいかけて説明をいただきました。根気強くわたしたちの疑問に答えてくださった不動産屋の担当の方には本当に感謝しかありません。


さまざまな説明を受け、わたしたちは夫婦でよし、と気合を入れ合い、まさに一世一代となる契約に進みました。
とはいっても、たくさんの書類にひたすら名前を書き、押印するのみ。

流石にお金を受け渡すときは緊張で少し手が震えましたが、なにせ普段から大金に縁がないゆえに、目の前で数え上げられる札束はどこかひとごとのようで、母ゆずりのおしゃべりのわたしは、担当の方がお札を数え間違えないよう、黙っていよう、と身をすくめていたことだけを覚えています。

契約書の埋めるべき場所が埋められ、金銭の授受も終わった後は、この後の流れ、として改装をどうしよう、という話に。不動産屋さんが出してくださった過去の取引物件の改装資料がこれまたとても素敵で、夫とこれすごく雰囲気いいね、これもいいけどちょっとうちの好みからずれているかも、なんてぺちゃくちゃ言い合います。

これまでの家探しの中で出会った、ここだ!という工務店さんにお願いしたいのです、という話を不動産屋さんにすると、それではうちと、工務店さんとご夫婦で、どこかで予定を合わせて家の内覧と打ち合わせをしましょう、というありがたいご提案をいただけて、ああ、いい不動産屋さんと出会ったものだと思いました。

家が好き、な夫は常々、家選びは不動産屋さん選びが重要やねん、と言っていましたが、改めてその意味を実感しました。

結局、事務所には3時間程度滞在しましたが、居れば居るほど魅力が増す空間で、帰る前につい、もう一度内装を見ても良いですか?と図々しくも聞いてしまいました。すると、不動産屋さんの方は、バックオフィスまで案内してくださって、パソコンが並ぶ部屋から見える坪庭まで覗かせてもらうことに。

いい家を見てほくほく、なわたしたちでしたが、いざ帰路につくと、預けたむすめのことが気になってしまい、足早に友人宅に向かいました。

パンデミックの中、なかなか外に出ることがないわたしたちは、体力、精神力を使い果たし、くたくたで、だからこそ食べたお昼ごはんはおいしかった。

これはお昼ごはん中に見つけたカイコガです。腕にのるとすごくふわふわしていました。

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